2011年3月25日金曜日

私が尊敬する野口義則さんからのアドバイス

2011年03月25日
ぜひやっていただきたい2つのこと

こんにちは、野口嘉則です。



今、“疑似被災”ともいえる心理状態になっている人が、
日本全国に増えているそうです。

被災地にいるわけではないのに、
震災の惨状を毎日のようにテレビ映像で見続けた結果、

不安感や無力感に襲われたり、
常に気が張っていて、緊張が解けなくなったり、
無気力になったり・・・

まるで自分が被災したかのような心理状態になってしまう
わけですね。



このような心理状態に陥らないためにも、
テレビの見過ぎには注意した方がよさそうですが、

実際に、そのような心理状態になってしまっている場合は、
どうすればいいのでしょう。



簡単にできて効果的なのは「身体からのアプローチ」です。

人間の心と身体は密接につながっていますので、
心の状態は身体にも表れます。

たとえば、上記のような心理状態になっているときは、
呼吸が浅くなっています。

そこで、深い呼吸をすることが有効なのです。

まず最初は大きなため息をつくように、一気に息を吐き切り、
その後は、吐く息を意識しながら呼吸を続けます。
吐くときは、なるべくゆったりと深~く吐きます。
吸うときは、自然に空気が入ってくるのにまかせて。

こんなかんじで10分~20分くらい深い呼吸を続けます。

こうして身体を整えることによって、
心のあり方を整えることができるのです。



他には、ストレッチや体操をしたり、
好きな音楽を聞きながら体を動かしたり、
声を出して笑ったり、
歌を歌ったり・・・などもよさそうです。



「身体からのアプローチ」の他には、
「自分の気持ちを誰かに話す」 というのも効果的ですね。

不安感とか無力感とか罪悪感とか・・・
自分が抱えている感情について話してみる。

話すと気持ちが整理されてきて楽になります。

友だちどうしや仲間(グループ)で話を聞き合うというのも
いいですね。



また、話し相手が見つからないという人には、
「書く」というのも一つの方法です。

第二次世界大戦中に、
2年間に及ぶ隠れ家生活を送ったアンネ・フランクは、
日記を書くことを、心の支えと慰めにし、
希望の灯をともしつづけました。

書くことも、心を整える絶大な効果があるのです。



以上、「身体からのアプローチ」と「自分の気持ちを話す(書く)」の
2つの方法をお伝えしましたが、
どっちの方法であれ、そのベースになるのは、
「自分を大切にする」というスタンスです。

何よりもまず、自分を大切にすることです。



「被災地の人の苦労を考えると、自分は楽をしてはいけない」 と、
自分を追いこんでしまう人もいますが、
自分が疲弊してしまっていたら、復興の支援もできません。

まず自分を大切にし、自分の心と身体をしっかりケアし、
十分にエネルギーを蓄えるからこそ、支援もできるのです。



そして、自分の持ち場で、自分の役割りを全力で果たす。
明るく元気に、自分の仕事や自分の学びに取り組む。

それこそが日本の復興につながりますし、
それは強力な支援でもあるのです。



それから、この度の震災に関して、
無力感を感じておられる方も多いようです。

災害のあまりの惨状を見て、
「義援金も振り込んだし、節電もしている。しかし、その程度
しかできない。これほどの大災害に対して自分は無力だ」
などと感じてしまうようなケースです。



どんな小さなことでも、自分にできることを皆がやれば、
それは大きな力となるものと思います。

そして僕からの提案なのですが、
ぜひ、次の2つのこともやっていただきたいと思います。



(1)祈る

心には偉大な力があります。
心で強く認めたこと、心でありありとイメージしたことは、
現実化しやすくなるのです。

被災地に食糧や物資がどんどん届いているイメージ、
東日本が復興し繁栄しているイメージ、など
「こうあってほしい」と思う状態をありありとイメージし、
それが実現しつつあることに感謝の祈りを捧げます。

ある知人は、イメージの中で、原発に対して、
「今までたくさんの電力を提供してくれてありがとう」と伝え、
原発が静かに休む姿を想像したそうです。



(2)目の前の人に親切にする

いま目の前にいる人に対して、
やさしい言葉をかけたり、笑顔で接したり、
親切にします。
惜しまず愛を出すのです。

人の心は深いところでつながっていますから、
あなたが、あなたのいる場所で発した愛は、
深いところで被災地の人々にも届いています。


以上、2つのことを提案しましたが、
もちろん、募金や献血や節電・節水など、
できることは小さなことでもやっていきたいですね。



<情報>

・詩集『くじけないで』の柴田トヨさんが、
被災者の皆様にという詩を作られています。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110317/trd11031714340007-n1.htm



・広島で原爆を被爆して、左半身に大やけどを負いながら、
妻子に会うため長崎に移動した山口彊さんは、
長崎でも被曝されました。
つまり二重に被曝し、
二度も大量の放射線を浴びられたわけですが、
2010年に93歳で亡くなられるまで、
核廃絶の思いを世界に向けて伝え続けられました。

その山口さんの映画が7月に公開されます
YouTubeの動画もあります→ http://ow.ly/4m1nY

2009年の年末に、
映画監督ジェームズ・キャメロンが山口彊さんの病室を訪問し、
原爆をテーマにした映画の構想を話したのですが、
それを聞いた山口さんは「私の役目は終わった」と告げられ、
そして、その2週間後に亡くなられました。

その山口さんが、よく語られた言葉が、
「All For One, One For All(皆は一人のために、一人は皆のために)」

今の僕たちの心に強く響く言葉ですね。




タグ: 東日本大震災
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